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長 所
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短 所
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コメント
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抗甲状腺剤
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永続性甲状腺機能低下症の
危険が低い
寛解を得られる可能性がある
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治癒率が低い(30%)
副作用がある
きちんと内服しなければならない
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小児、若年者、妊婦に対して
第一選択
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放射線
ヨード治療
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甲状腺機能亢進の治癒を得られる
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永続性甲状腺機能低下症への移行が高頻度
治療後6〜12ヶ月は妊娠を避ける必要がある
母乳栄養の中止
甲状腺機能亢進増悪の危険がわずかにある
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不妊、先天奇形、発癌に対して
明らかなエビデンスはない
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外科治療
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迅速に治療効果が現れる
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最も侵襲的である
合併症の可能性がある
(反回神経麻痺(声が出にくい)、
副甲状腺機能低下症(カルシウム低下)
永続性甲状腺機能低下症への移行の可能性
再発時再手術はできない
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抗甲状腺剤で副作用のある場合
甲状腺腫瘍を合併する場合に有用
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■ 内服治療
抗甲状腺剤(メルカゾール、プロパジール)を使います。
始めは3錠〜6錠でスタートして徐々に減らしてゆきます。
通常3年以内に内服中止できる方が3割です。残りの方が維持量として1錠ほどを継続します。これは一般のデータです。
今までの治療経過、病気の程度により薬がいらなくなる可能性についてはずいぶんと違います。
初めてこの病気になった方を丁寧に治療すれば、薬がいらなくなる率はかなり高いと思われます。
抗甲状腺剤の作用には
@甲状腺ホルモンを低下する。
A甲状腺に対する自己免疫を低下する。の二つあります。
この2点をよく考えて治療することが、この病気を治す、すなわち、薬がいらなくなる状態に持ち越すポイントと思います。
まさしくさじ加減しだいです。
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